政府保障事業とは
政府保障事業の存在理由
ひき逃げで加害者がわからない場合や、無保険車、盗難車による事故の場合には、原則として自賠責保険による支払いを受けることができません。
何故なら、自賠責保険は相手方の自賠責保険を使うことによって支払を受ける事を予定しているため、そもそも相手方が不明の場合等には機能しません。
このような場合に、被害者がただ泣き寝入りするのでは困るので、自賠法71条以下の規定により、政府保障事業が存在します。
自賠責保険と政府保障事業との違いは?
原則として、違いはありません。
過失割合の点で、従来は厳格な過失相殺がなされていましたが、批判が多かったため、平成19年4月以降の事故に関しては、7割以上の重過失のみ減額という自賠責保険同様の取り扱いに変わっています。
この点は、被害者にとって最後の砦である政府保障事業の趣旨が生かされた形になったと思います。
自賠責保険と異なる点をあげると・・・
- 加害者から請求ができない。
- 健康保険や労災保険等の社会保険給付を受けられる場合には、そちらを優先する。(給付金額を控除した後、自賠責基準の限度額より、妥当な残額につき支払が受けられます。)
- 自由診療に関しても、健康保険での診療点数として計算される。
- 同一生計に属する親族間事故については、原則として対象外
- 政府保障事業が加害者への求償を行う。
政府保障事業の最大の弱点とは
政府保障事業の最大の弱点としては、支払いまでの処理期間が長い点にあると思います。
通常、請求してから約3ヶ月~4ヶ月くらいかかります。さらに、無保険事故に関しては約10カ月と相当時間を要します。
時効について
請求権が行使できる時点から、3年で時効となります。
政府保障事業の限度額について
限度額については、自賠責保険と同様です。
傷害事案について120万円
後遺障害事案については等級により、75万円(第14級)~4000万円(第1級・要常時介護)
死亡事案については3000万円
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