交通事故問題解決サポート

自賠責保険

自賠責保険について

いわゆる、強制保険と言われているもので、一部の例外を除き(私有地運行や、国が責任を持つ車両等)道路を運行しようとする「自動車」(道路運送車両法第2条2項)及び、「原動機付き自転車」(同法同条第3項)は法律により加入が義務付けられている保険です。
これに違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
自賠責保険により最低限の保障が担保されています。
ちなみに、自賠責保険に入っていない場合、運輸局による車検の新規受付や変更記入は行われません。(自賠法第9条)

自賠責の補償範囲

自賠責保険は、人身事故(傷害・後遺障害・死亡)による場合に適用されるものです。
物損事故の場合は自賠責保険は適用されません。

保険金額等

自賠責保険は強制保険として機能し、最低限の賠償を行うものです。
任意保険と異なり、自賠責に対して交渉し増額を求める性質のものではなく 、大量の案件を一定の支払い基準に則り迅速に処理するものです。つまり、保険金額の上限や、支払い基準はあらかじめ、客観的なものとしての ものさしが用意されています。
保険金額の上限としては、「傷害部分」については最大120万円、傷害による症状固定後に「後遺障害」が残ってしまった場合は最大4000万円 (自動車損害賠償保障法施行令第2条別表1)、「死亡」については最大3000万円と決められています。

請求について

自賠責保険に対する請求は、加害者請求(自賠法15条)と被害者請求(自賠法16条)の2種類があります。
加害者請求は、加害者が被害者に支払った賠償金を、保険会社に求償するものです。
これに対して、被害者請求は、加害者が不誠実な態度で治療費すら払わない場合等に、被害者自身が、加害者の加入する保険会社に請求する ものです。
被害者請求については、自賠責法は被害者の救済を趣旨としているため、加害者の同意は必要ありません。
また、請求の限度額については、限度額についての算定は加害者の数で算定されます。
つまり、2台の車の事故に巻き込まれ、傷害を負った場合、2台×120万=240万の範囲が自賠責の限度額になります。

過失相殺

過失相殺とは、被害者にも過失がある場合に、過失分を被害者が負担し、過失分に相当する金額を相殺されるものです。
実務上の過失相殺に関しては、自賠責における過失相殺と、任意保険における過失相殺の取り扱いは異なります。
自賠責保険の場合、被害者の救済が趣旨とされているため、基本的には過失相殺はなされません。
しかしながら、被害者の過失が重い時、いわゆる重過失(7割以上の過失)の場合には減額がなされる取り扱いです。
具体的には、重過失がない場合(過失割合7割未満)は減額されず
「傷害」の場合 7割以上の場合は被害者の過失が 10割でない場合においては、一律2割減額
「後遺障害・死亡」の場合 7割以上8割未満で2割、8割以上9割未満で3割 9割以上10割未満では5割減額となります。
被害者の過失が10割の場合は、免責扱いとなり、保険金の支払いは行われません。

自賠責保険証明書の備え付け義務

自動車は、自動車損害賠償責任保険証明書を備え付けなければ、運行の用に供してはならない(自賠法第8条)
とあり、さらに違反した場合には3万円以下の罰金(自賠法第88条)が科されると規定されています。
そのため、この規定に違反した自動車でなければ、自賠責保険証明書を自動車に備付けていることになります。
交通事故に遭ってしまった時は、必ず相手方の保険証明書を確認し、メモをとる等を忘れずに行って下さい。

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