交通事故問題解決サポート

等級の序列・系列、併合について

交通事故の後遺障害における等級については、労災保険法施行規則別表第1の障害等級表に準じて、自賠法施行令により運用されています。

ただし、この等級表は138種類の障害を定めていますが、たった138種類の類型では人間の複雑多岐な人体構造から鑑みると足りない部分が出てくる事は容易に考えられます。

そこで、さまざまな状況に対応するため自賠法施行令別表2の備考6の「各等級の後遺症に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺症に相当するものは、当該等級の後遺障害とする」との規定により等級表に記載されていないものでも認定したり、「併合」による取扱いにより別系統の複数の後遺障害にも対応しています。

障害の系列とは?

身体を解剖学的観点から10の部位に分けて、それぞれの障害を機能面に重点を置き、生理学的観点から35の障害群に分類したものを、「障害の系列」と呼びます。

障害の序列とは?

上記の系列に分けられた各障害について、労働能力の喪失率に着目して一定の順序(ランク)に配列したものを「障害の序列」と呼びます。

障害の併合とは?

事故の態様によってはいくつもの系列に属する複数の後遺障害が発生する事は、決して珍しい事ではありません。

そのような場合でも、後遺障害を幾つも認定するのではなく、最終的には「1つの等級」として格付けしなければなりません。

最終的な「1つの等級」に格付けするための調整手続きのことを「障害の併合」と呼びます。

以下が原則的な併合の取り扱いです。


系列の取扱い

■ 第5級以上の後遺障害が2つ以上ある場合⇒「重い方」の等級を3級繰上げる。
■ 第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合⇒「重い方」の等級を2級繰上げる。
■ 第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合⇒「重い方」の等級を1級繰上げる。
(併合の根拠規定は、自賠法施行令第2条の規定によります。)

上記の系列の取り扱いが原則ですが、併合の取り扱いが出来ない例外も存在します。

■ 通常派生的に現れる2つ以上の異なる後遺障害
(長管骨に偽関節が残った場合に、神経障害や短縮障害が派生的に発生した場合など。)
■ 障害は1つだが複数の障害として評価される後遺障害
(長管骨の短縮障害と変形障害が同時に発生した場合など。)
■ 併合により後遺障害の序列を乱す後遺障害
(併合の結果得られた等級が、等級表との関連上序列を乱す場合には修正されます。)


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